感動を呼ぶコーヒー

「もか」の標氏が亡くなって丁度1年、嶋中労氏が
「コーヒーの鬼がゆく」という表題で中央公論から新書を出版された。
「感動を誘う」コーヒーを創り出した男・・・と云う副題がついている。

私にとって、感動を呼ぶコーヒーとは?と考えてみた。
年に数回美味しい!!と呼べるコーヒーがある。しかし残念ながら
「年に数回」です。
苦味、甘み、若干の粘りがあるコーヒーで唇にまわりつく感じのするコーヒーです。
飲み終えてから10分後にも尚、口に残像が残り、
その味を噛しめるコーヒーです。

甘みとともに、香ばしさが残る品です。

しかし、この味が2日も3日も作れる場合がなり。同じ豆を使っても、同じ感動のコーヒーには
ならない。
その辺に意地になる要素があるのだろう。

365日で1000杯以上のコーヒーを飲む・・・お客さんが飲まれるのと同じように飲む・・・
最近は砂糖を使わない。MILKを入れて飲む。
自分で淹れる場合もあり、店の者が淹れて呉れるのもある。
しかし、感動の1杯はなかなか生まれない。

今日もお客さんから焙煎が少し浅くなったか?と指摘を頂く。
気温、湿度、気圧で釜の中や豆の湿度が異なる。
春バージョンと秋バージョンで焙煎に違いが出る。
時に冬バージョンでも差異が出る。
その丁度継ぎ目で最悪のコーヒーができる場合が多い。
しかし、最高の品もその辺に作れる場合が多い、即ち、
最高と最低が紙一重の間にあるのだろう。
この最高が長く続くと良いのだが・・・至難の業に思える。

2008.12.22