濃いコーヒー、薄いコーヒー

20グラムの粉を使って120CCの液を作る。
10グラムの粉で120CCのコーヒー液を作る。
濃い、軽いが歴然とします。お好みで勘定をしてコーヒーを淹れて頂くのです。

通常、濃いコーヒーはシツコイ味によく合います。淡泊な味には軽いコーヒーの方が良く合うのです。冬の料理には濃いコーヒー、夏の淡泊な料理には軽いコーヒーでしょう。

熱いコーヒーを短時間に飲むのを好まれる人が多い様に思いますが、許される事ならば、濃いコーヒーをユックリお飲み頂くのが一番美味しいコーヒーの飲み方であると思います。丁度体温と同じ程度の温度になると、苦味が柔らかくなり、甘みが良く感じるからです。その調和が実にすばらしいと思えるのですが・・・
ソルボンヌ大学の教授にコーヒーを飲ませた時、1杯目は実に簡単に飲まれましたが、2杯目は時間を掛けてユックリ飲まれました。「失礼を致しました。日本のホテルで度々コーヒーを飲んでいたが、その印象でお宅のコーヒーを飲んで余りの違いに驚きました。このコーヒーは時間を掛けてユックリ味わうのが最高です。」との評を頂きました。
最後に残った少しのコーヒーが最高に美味しいと言われた落語家もおられました。

冷めてしまうと美味しくない!と言うのが定説の様ですが、一番味が良く判るのが体温と同じ温度であると思います。この温度で美味しく感じられるコーヒーが一番良いコーヒーと言えるのだと思います。私の経験では最高に美味しいコーヒーです。思わずカップの底を見て、もう残ってない!と残念なコーヒーです。

軽いコーヒーで2種類が考えられます。苦味のある軽いコーヒーと酸味の豊かな軽いコーヒーがあります。ブルーマウンテンやキリマンジャロが酸味の軽いコーヒーの代表です。
余り砂糖を入れず、フレッシュクリームも少なくして、香と爽やかな酸味を堪能して頂くのが良いと思います。
苦味のコーヒーを薄くして「本当は濃いのを作ってお湯で薄めて軽くするのが良いのですが」飲まれる場合があります。ガブガブとコーヒーを飲みたい時、朝、パンなどと一緒にコーヒーを飲まれる時には良い方法です。軽い苦味が気分を爽やかにして呉れます。
香ばしい味が口の中に広がり、幸せな気分にして呉れます。